博物館で保存されているキハ07。ローカル線の低迷は今に始まった事でなく、昭和初期には単行運転出来るガソリンカーが各地に登場。戦前の国鉄車で代表的なのは、大宮の博物館に保存されているキハ41000(キハ04)と改良型のキハ42000(キハ07)です。
欧米に遅れた日本では出力100PS程度の機関しかないため、車体が細い小型車のみ。変速も手動の機械式で重連では各車に運転士が必要でした。最大の欠点はガソリンの揮発性で、引火しにくいディーゼル機関の開発は第二次世界大戦勃発で中止。1940年1月29日の朝、小さな車体に満員のキハ42000・3両編成が西成線・安治川口駅のポイント誤動作で脱線・転覆してガソリンが大爆発し、180名以上の命が消えました。西成線はこれを機に電化工事を実施して、今は桜島線と名を変えています。
幸か不幸か戦時中のキハ42000は燃料欠乏で出番が少なくなり、戦後には晴れてディーゼル機関へ換装。混迷する時代を生き残った小さな車両は、博物館の中で静かに眠っています。
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