2016年08月06日

生きる文化財9

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門司港の博物館に保存されているクハ581-8、塗装を復元していますが、車両自体は改造後のクハ715-1です。東北新幹線の開業した1982年ダイヤ改正で余った特急電車を、平たく言えば中途半端な改造で普通電車にしてしまったのが715系。民営化に向けて財源の乏しい国鉄では、長崎近郊の普通列車で使われていた客車を電車化するにあたり、ボックス席と3段寝台で特急に使いづらくなった寝台特急電車581系を改造して投入しました。

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元からある小さい折戸と同じものをわざわざ増設して2ドアにしたり、どこか微妙な外観。デッキをなくしてドア付近をロングシートに変更しつつ、ボックス席は特急時代のままで、上に格納した寝台ユニットが張り出しています。隅には洗面所をフタで覆った変なスペースが残っていたり、内装はさらなる怪しさ。駆動部に至っては、廃車となった101系通勤電車から転用。東北・北陸にも同系列が投入されましたが、狭いドアで使いにくかったようです。元は1967年製の電車なので維持も難しく、10年ほどで廃車が始まりました。
タグ:583
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at 17:00 | コメント(2) | 九州
この記事へのコメント
オリジナルの581(583)系でわずかに残った車両は臨時列車でまだ活躍していますね。
北陸本線に走っていた改造車(食パンマン)が好きでした^^
Posted by えふえふドラクエ at 2016年08月06日 23:23
先頭車の半分以上は中間車に運転台を付けたタイプなので、見かける頻度は多かったかもしれません。大きい断面の平面顔は独特の魅力がありましたね。
Posted by 武蔵宮 at 2016年08月07日 21:23
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