ここは群馬。横川機関区跡で広島に関係の深い機関車が保存されています。EF59は山陽本線瀬野・八本松間にある上り線勾配区間の後補機用機関車でした。元になったEF53は1932年から製造された旅客用電気機関車で、最初の大型機EF52を改良したもの。勾配補機には貨物用機関車の改造が有力でしたが、貨物列車以外に高速の特急電車を後押しする条件も検討されたため、1963年から19両のEF53が改造されました。
上り貨物列車には瀬野駅か、通過の場合は貨物駅の東広島駅から後部にEF59重連を連結し、西条駅停車時か、通過の場合は手前の八本松駅通過中にEF59のみ減速して解放する方式でした。下り時は瀬野機関区へ回送になりますが、上り下りとも広島側に顔を見せているため進行方向を判別しにくく、視認しやすいよう片方のみゼブラ模様になっています。
歯車交換など大がかりな改造が行われたほか、連結器解放テコの下に運転台から操作するシリンダが付けられています。1965年に登場した高速貨車10000系を後押しするため、片側の連結器が電気回路とブレーキ管も付いている電空付密着自動連結器に追加改造されており、走行中にブレーキ管閉鎖・回路遮断・連結器解放・減速を自動で行う事が出来ました。
ここにはEF53-2も保存されていますが、EF59-11を復元したもの。国鉄末期に展示イベントで散逸した車両が、そのまま関東で保存されています。
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下りには4両まとめて古い機関車が通ったり、なかなか妖しげな沿線風景だったでしょうね。